前回は不妊症の方について、問診することで色んなことが見えてきたことを書きました。
冷え、瘀血、自律神経(考え方)などが関係していそうです。
今回は触診することで分かったことを書いて行きます。
触診は、患者さんの状態を観る方法としてとても重要です。
問診や触診などで患者さんを色んな角度から観ることは治療に入る前の準備段階で、それがあるからこそ意味のある治療ができるのです。
触診についてですが、当院では今回のように婦人科系疾患や慢性疾患などの方は前進と併せて「お腹の状態」を必ず確認します。
触診から見えてきたこと
I さんの全身を触診してみてわかったことは、
・腰周りの筋肉が硬く冷えている
・肩の筋肉も硬く、全体的に筋肉の質は硬めという印象
・下腹部が硬く冷えている
ということでした。
やはり骨格筋自体が硬めでした。
運動をして来ていない人は骨格筋の質が硬いことが多いです。
また身体が弱い人は大抵、骨格筋の質が悪いのです。
そしてお腹の状態ですが、これもやはり問診で予想したような状態でした。
こういった骨格筋や内臓筋瘀硬さが所謂「体質」に大きく影響していると考えられます。
これは触るから分かることですね。
筋肉が硬いということは
問診にあった疲れやすさは、古いモノ(酸素、栄養)と新しいモノ(炭酸ガス、老廃物)の入れ替えが上手にできていないことと言えるでしょう。
言葉を変えると「代謝」が悪いと言うことになるかも知れません。
筋肉が硬いと血流が悪くなるので、冷えますし疲れやすくもなるのだと考えられます。
硬い=血流が悪い=冷え=疲れやすい、痛みなどの症状が出やすい
は似たようなものだと考えたら良いと思います。
内臓が硬い
東洋医学では「瘀血の腹証」という言葉があるようです。
病気がちの方は血液が汚れているし、お腹が硬なっている傾向にあるとうことです。
I さんの場合も例に漏れず、腹部の状態が硬く冷えていたのです。
腹部と言うのは具体的に場所をいうと、
・骨盤内(子宮)
・腹大動脈(特に臍下辺り)
・大腰筋・腸骨筋(骨格筋)
です。
これらが冷えて硬くなっていることで血流が悪くなり、子宮も働きが悪くなっていたのだと考えられます。
ですので、身体に対する治療としてはこれらを緩めて行くことになります。
こうして調べて原因を探って行き、治療して行くことで I さんは改善されて行くのですが、如何に問診や触診など「相手を観る」 ということが重要か知っていただけたらと思います。
それでは次回は治療の経過について書いて行きます。