前回は鼻呼吸がしにくくなっているSさんが施術で変化が見られたことを書きました。
治療の内容は、
鼻腔、胸郭周り、みぞおちの施術を主にしたと言うことでした。
前の記事 鼻呼吸をしやすくする方法 浜松市
今回は、では何故、呼吸がしにくい時に鼻腔や胸郭周り、みぞおちの施術をするのか、身体の構造と機能について説明して行きます。
呼吸がしにくい原因は?
ここでは呼吸に影響すると考えられる主な原因を挙げて行きます。
●鼻の問題
・副鼻腔炎
副鼻腔炎とは、副鼻腔を覆っている粘膜が何らかの原因で炎症を起こしている病気です。
※炎症を起こすのは免疫力が低下した結果、細菌の侵入をゆるし、それを排除しようとして戦っていることが原因と思われます。
●気管~肺の問題
・気管支喘息
気管支に炎症が起こることで気管支の壁が腫れ、痰の分泌、周りの筋肉の収縮が起こって気管支が狭くなる。
治療は、気管支の炎症を抑えて発作を予防する薬(吸入ステロイド薬など)や、ダニなどの悪化因子の除去など。
※こちらも原因は免疫力の低下だと思います。
また緊張状態が続くことで首周りの筋肉が硬直し、それで気管が狭くなることも考えられます。
●心臓の問題
・心不全
心臓のポンプ機能が低下した状態のこと。
十分な量の血液を全身に送れなくなり、また、肺や肝臓などに血液が滞ることで、呼吸困難やむくみ、動悸、疲労感など、さまざまな症状が引き起こされる。
心筋梗塞・心筋症・弁膜症・不整脈などが原因と言われています。
※心臓が弱ると肺に水が溜まりやすくなります。
●呼吸筋の問題
呼吸は実は肺が自分で動いているわけではないのです。
筋肉が働いて胸郭(肋骨や背骨で覆われている部分。肺や心臓などを保護する役割がある)が拡大、収縮することで肺に空気が出入りします。
呼吸に関わる筋肉を呼吸筋といい、
・横隔膜
・肋間筋(肋骨の間にある)
のことを言います。
要するに呼吸筋が働くことで呼吸ができるわけです。
※緊張状態が続くことで首~胸郭周りの筋肉が硬直し、呼吸がしにくくなることがありますね。
このように、呼吸がしにくいという症状一つとってみても、いくつか原因があると言うことです。
Sさんの場合は
良く見ると胸郭の動きが悪かったので、
・胸郭周り(胸側、背中側)
・横隔膜と
・鼻の周り
を緩める施術をしたのです。
呼吸に対する腹部治療
当院では血液循環療法という手技療法を用いて腹部の治療もしています。
ここではSさんのケースに沿って書きます。
Sさんは胸郭周りが硬くなっていましたが、みぞおちを指で触るとやはり硬くなっていて同時に痛みがありました。
呼吸に問題がある人はこのようにみぞおちが硬くなっていることがあります。
ここで重要なことがあります。
横隔膜と心臓の下部は隣同士で接しているのです。
横隔膜が硬いと言うことは、実は心臓が硬くなっている(弱っている)可能性があるのです。
呼吸がしにくい = 胸郭の動きが悪い = 横隔膜が硬い(働きが悪い)= 心臓が悪い (=肺も悪い?)
それでは次回は腹部治療の横隔膜、心臓に対する治療について説明します。
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