今回はSさんの症例を元に、ダルさについての説明をします。
以前の記事
そのSさんですが、通われて4カ月が経過していますが、治療毎に状態が改善して行って
とても喜んでおられます。
今まで色んな所に行っても改善しなかったようなので、私としても嬉しい事です。
治療間隔は以前より空いてきて、2・3週間ごとの治療になっています。
これからも難病や難しい症状の人が来ても応えられるように学んで行きます。
二人三脚でやって行きましょう。
エネルギー生成の視点から観てみる
さて、ダルさについてですが、
これは先に答えを言うと、原因は「酸素不足」です。
これは故・安保徹先生の言葉を借りるなら、
解糖系、ミトコンドリア系というエネルギーを作る仕組みを知る必要があります。
簡単に言うと、
◉解糖系
酸素を使わずに作るエネルギー
食事をした時の栄養素は腸で分解され、血液にのって全身の細胞に運ばれる。
食事中のご飯やパン、イモ類などに含まれる糖質が細胞内で分解される過程で生み出される。
「無酸素で糖から生み出された」エネルギー。
瞬時に生み出される。
瞬発力。
エネルギー量は少ない。
◉ミトコンドリア系
解糖系で分解された栄養素が細胞内のミトコンドリアの内部で更に分解され、水素を作り出す。
その水素と「酸素が結びついて作り出される」エネルギー。
エネルギー量は大きい。
持続力。
ということです。
生まれてから成長期は解糖系が働き、
成人になってくるとミトコンドリア系が働き出し、両方のエネルギーを使う。
老年期には解糖系が減ってミトコンドリア系が殆どになる。
と言うことです。
子どもや若い時に沢山食べてよく動き回るのは、糖分を沢山摂ってそれをエネルギーに変えているから、なんですね。
それが段々酸素を必要とするミトコンドリア系が働くようになって行くにつれて、
瞬発力は無くなって来るが、持続力が出てくると言うことですね。
(これは自分が生きて来た過去を振り返ってもそうだなぁと思います。
昔はもっと勢いでやっていましたが、ある程度の年齢になってくると、
一時的な瞬発力では身体が持たなくなってきますね。
そして、勢いは減るけど、コツコツ型に変わって来ました)
危機に直面した時も解糖系が働く
成人期に入ると、2つのエネルギー系のバランスが解糖系だけから解糖系の割合が減って
ミトコンドリア系が増えて行きます。
そういう時に、頑張り過ぎてしまうと、自律神経は交感神経に傾き、
血流が悪くなり、酸素不足になりミトコンドリア系が働けず、
無酸素でエネルギーを作る解糖系がフルで働きます。
その時に疲労物質(と言われていたりします)乳酸が生まれます。
代謝の面で観る
代謝で言うと、
頑張り過ぎ(ストレスがかかっている状態)などの状態では筋肉(骨格筋や内臓筋)の
緊張状態が血流障害をおこし、細胞の老廃物・炭酸ガスと栄養・酸素の交換が出来なくなります。
これを代謝が悪いというのです。
要するに、
「酸欠」がダルさの原因であり、
酸欠になるのは、
・緊張状態
・筋肉の硬化
・血流障害
が起こるためです。
そしてその為に、どんどん疲労が溜まって行くということなのですね。
酸欠は痛みや痺れだけでなく、病気の原因でもある
今回は、ダルさ(疲労)の原因ということで酸素不足を書きましたが、
これは痛みや痺れ、病気の原因であると考えています。
これは、ガンや難病の患者さんを実際に触って来た経験からも言えることです。
逆に言えば、こういうことが分かって、適切な対応をすれば、
一般的には難病と言われているガンや様々な病気も良くなる可能性があると言うことですね。
それは過去の改善症例などを見て参考にしていただけたらと思います。
ガンの症例もまた書いて行くので、そちらもご覧ください。