ここでは腰の痛みに対する施術について紹介をします。
Kさん(男性 68歳)は、2週間前ふとした動きの時に右腰辺りに痛みが走り、動けなくなってしまったということです。
それで当院の施術を受けに来られる事になりました。
骨に異常は無いけど痛みは出る?
病院にいってレントゲン検査をしてもらいましたが、
「骨に異常はない」
と言われたということです。
骨に異常が無いのに痛みが出るのは何故か?と先生に聞いたけど、
「何故かは分からない」
と言われたそうです。
その後、知り合いに
「それは筋肉が硬くなっているんじゃないか?」
と言われたことをきかっけに筋肉が硬くなって痛みが出る?
という考えを持つようになったそうです。
施術を受けられる前に電話で、
「こういう症状でも良くなるの?」
と相談がありました。
絶対に良くなるとは言えませんが、話を聞いている限りでは筋肉が硬くなって
痛みが出ている可能性があると思ったので、
「改善する可能性がないことはないと思います」
と答えました。
Kさんのこれまでの経過
・2018年頃 腰椎4(番5番)すべり症と診断され手術
・2019年(令和元年) 頚椎の狭窄症と診断され手術
手術で腰の痛みは軽減したが、大腿部の重ダルさはずっと残る。
施術当日は幾分痛みはマシになってはいたようですが、
「動かすとまたあの時のような痛みが出るのでは・・・」
と不安があるようでした。
動くと恐いということでしたので、色んな動きの検査で確認することはせずに
ベッドにうつ伏せに寝てもらい、腰~背中、また臀部を中心に触診して行きました。
実際に触診すると
①腰の上部の背骨の右側の筋肉が強く張っていて筋肉が硬くなっているのが確認出来ました。
②またそこから下がりながら外側に行くと硬くなっている箇所があり、触れると普段感じていた痛みが出るようでした。
Kさんが今感じている痛みはここから出ている可能性が高いということです。
③腸骨(いわゆる腰骨)~仙骨の辺りにかけても筋肉が腫れて分厚くなっていました。
④背骨の柔軟性を確認していくと、特に腰の上側(下部胸椎~上部腰椎)の柔軟性がありませんでした。
これらの場所を中心に手技で緩めて行くことにしました。
治療に入る
①②③を少しずつ緩めて行きながら、時々立ってもらって痛みや動き(可動域)を確認してもらいながら治療を進めて行きました。
すると確認する度に、少しずつ痛みは楽になって行ったのです。
前屈も楽に出来るようになって、恐かった身体を捻る動きも痛み無く出来るようになりました。
また④の背骨の柔軟性を出す手技をして行くと、立った時に背中が伸びたような気がすると
言われていました。
腰がとても軽くなったと喜ばれていました。
最後に、私から見た今回の症状が出た原因とも思われる事をお話しました。
来られた時は不安が強かったですが、帰る時の表情は笑顔が見られました。
今回のケースは一度の施術でかなり症状が改善されましたが、100%良くなる訳ではありません。
様子を見ながら、暫くは通っていただくことになりました。
それでは次回は、この症例について詳しく解説をします。
宜しくお願いします。