ここでは1日動くと数日間寝込んでしまう状態になる医学的には慢性疲労証拠群と言われる方の症例を載せています。
慢性疲労症候群はただ疲労が出るだけでなく様々な症状が出るのですが、これが身体を触ると骨格筋や内臓筋がガチガチに硬くなっていたのです。
それらを緩めて行くと症状が改善して行きました。
身体の痛みが減り、脈拍・血圧に変化が出てくる
●20013年(平成25年)5月1日(10ヶ月経過)の時点で、
・脈拍69
・血圧 (血管の収縮時)100/(拡張時)60
になり、落ち着いて来ました(初診時は、脈拍90 血圧80/50)。
この脈拍や血圧の変化は、硬くなっていた心窩部(みぞおち)、腹大動脈を緩めたことが大きいと考えられます。
心臓に疾患がある人はみぞおちが硬い?
Nさんは初診時に脈拍が90もあって血圧が80/50でした。
心臓が常に頑張って働いている状態と考えられます。
その影響か、心窩部(しんかぶ・・・みぞおち)を触診すると硬くなって強い痛みを感じていました。
心臓に問題を抱えている人はこういった傾向があります。
心窩部(みぞおち)にあるのは、横隔膜と心臓の下側です。
下図のように、心臓と横隔膜は隣り合っています。
心臓は線維性心膜という膜組織に覆われていますが、それは横隔膜に付着しているのです。
と言うことは、心臓と横隔膜はただ隣り合わせの位置にあるだけでなく、心臓の影響は横隔膜に影響していると考えられます。
そういった意味で、みぞおち(心窩部)の硬さ=横隔膜と心臓の硬さと言うことができるのです。
逆に言えば、みぞおちの硬さを緩めれば横隔膜や心臓が緩む可能性があるということです。
継続して行くことで日常生活が送れるまでに回復した
その後も2週間に一度の出張治療(月の治療回数8回)を継続して行きました。
・股関節周り、首周り、肩周りの痛み
・便通
・日光皮膚炎
なども改善して行きました。
2013年(平成25年)いっぱいで治療は終了(治療開始から1年5ヶ月経過)。
この時点で、
・脈拍70前後
・血120/80前後
にまで改善し、以前より寝込むことは減り、外出も出来るようになりました。
完全に健康体に戻ったわけではありませんが、ある程度生活が出来るようなにりました。
心、技術、知識の大切さ
Nさんは重症の方でしたが、治りたい一心で治療と日常で出来る取り組みを継続されたことで回復されました。
最初に食事療法を一緒にやり始めてから1年と7ヶ月がかかりました。
この間、色んなことがありましたが、それでも継続できたのは患者さんと治療家の信頼関係のようなものがあったからではないか?と考えます。
治療家がどれだけ頑張っても患者さんが本気で治したいと言う気持ちがなければよい結果は出ないでしょうし、患者さんだけが頑張って出来るモノでもありません。
また、気持ちがあっても知識や技術が無ければよい結果は得られないでしょう。
心(信じること、信頼関係)、技術、知識などがバランスよくあって初めて成し得る事なのかも知れません。
それに加えて、患者さんに対する家族の理解も大切でしょう。
治療に関係する要素って様々ですから、だからこそ難しいですね。
日本の医療も、視野を広げて診ることが出来るようになった時に、もっと良い結果が得られるようになるのかも知れませんね。