今回は、両足の太ももが痛くて困っていた方の症例について載せます。
Oさん(男性 78歳)は自営業を長年されて来られています。
そのお仕事の姿勢や身体の使い方の影響があって、身体に症状が出てきたのです。
Oさんは、自分のされていることに誇りを持っていて、まだやるべきことがあるようです。
ですが、身体が動かなくなって行くので、今まで病院の治療を受けて来ましたが、なかなか改善しませんでした。
それで当院に来られたのです。
それではOさんのこれまでの流れを書いて行きます。
椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、脊柱管狭窄症と言われていた
Oさんは60歳ごろ(2005年くらい)から腰が重く感じられるようになって来ました。
整形外科の電気、ウォーターベッドなどの治療を受けていたと言うことです。
その後、左の太もも、臀部、脛が痛み出し、続いて右の太ももも痛くなって来たので病院に行くと、「椎間板ヘルニア(腰椎)」「坐骨神経痛」と診断され、痛み止めのクスリを処方されました。
ですが、痛み止めでは効果が無かったと言うことです。
それからも症状が改善しない状況が続いて、更に右肩にも痛みが出てきました。
2020年にY病院でブロック注射をしたところ、肩の痛みが少し楽になって動きも改善したということです。
それからブロック注射を2、3週間の間隔で受けていました。
その後も症状が改善することはなく、2023年7月にS病院でMRIで検査をしたところ、「脊柱管狭窄症」(腰椎4番、5番)と言われたと言うことです。
Oさんの状態を簡単に纏めると、
●主訴
腰が重い、両足の太ももの痛み(2005年頃~)
右肩の痛み
●本人が痛みを感じている場所
●診断名
椎間板ヘルニア、坐骨神経痛(2005年頃)
脊柱管狭窄症(2023年7月)
●過去に受けてきた治療
電気治療、薬物治療、ブロック注射
それでは次は、当院でOさんの状態を調べて分かったことを書いて行きます。
身体の歪み、筋力低下
まず、身体の姿勢についてですが、骨盤が右に寄っていて背骨は左に曲がっていました。
これは長年の「姿勢の癖」で、右足に体重が乗っているために起こっていると考えられます。
O脚気味になっていますが、それは下肢の内側の筋肉(内転筋)が弱っていることが原因と考えらrます。
ここからも、大腿部の外側が過緊張になっている→痛みが出ているだろう、と言うことが推測できます。
また、足指は力が入りにくく握る運動がほぼ出来なくなっていました。
これは筋力低下(筋硬化)が原因と考えられます。
それもあって足首は浮腫んでいました。
また上記の足指~足首の状態が悪いことが影響して、代償運動として常に股関節まわりや大腿部(太もも)が緊張していると考えられます。
●姿勢、その他の状態
実際に痛むところは?
実際に指で押して痛む場所を確認したところ、
現在痛みを感じている大腿部の外側、左腰に加えて、鼠径部に強い痛みを感じていました。
●触診した時に痛みを感じた場所
ここから分かることは、鼠径部を通っている筋肉が「過緊張」になっていることです。
ここを通っている筋肉は腸腰筋と言って、腰を前側から支えている筋肉です。
また、足指はかなり痛みを感じているようでした。
こうして身体を色んな面から観ることで、症状をだしている原因が見えてくるのです。
それでは続きは次回に載せます。
次の記事はこちら