ここでは眼底出血が消えた方の症例について書きます。
Kさん(女性 当時70歳)は検査にいったところ、右眼に眼底出血があると言われたと
いうことでした。
それでどうにかしたいということで紹介されて、私の治療を受けることになりました。
治療の開始時、眼底出血があると言われていたKさんは不安があるようでした。
しかし、まだ視覚の障害や痛みなどの自覚症状はない様子でした。
漢方の先生に聞いて、眼によいと言われる漢方薬を服用していたので、
それと私の施術と併用で行くことにしました。
眼底出血とは?
実際の治療の説明の前に、まず
眼底出血とは何なのか?
一般的な治療はどうするのか?
ということを書いて行きます。
眼底とは目の奥にあり、光を感じ取る役割を持っています。
眼底出血は、その眼底にある網膜表面の血管の破綻や閉塞することで起こる網膜の出血です。
重度の視力障害を来すことあるということです。
・原因は?
眼底出血の直接的な原因は、糖尿病・高血圧によるものが代表的だということです。
他に、加齢黄斑変性・網膜静脈閉塞症・網膜剥離・外傷・全身の血液疾患(腎臓病・白血病)
なども原因になるようです。
眼底出血の原因として一番多いのは糖尿病によるもので、成人の失明原因の第一位と
いうことですから、ある程度年齢になった時にならないように、若い時からの食生活や運動などの
生活習慣に気を付けることが大切と言うことでしょうね。
・症状は?
視力の低下や霞み、飛蚊症(物 が飛んで見える)、歪視症(物が歪んで見える)など。
眼底の中心部が出血すると視力低下がおきますが、
周辺部におきるとほとんど自覚症状はないということです。
・治療法は?
通常眼底出血は1~3ケ月で吸収され内科的管理を怠ると再出血する恐れがあるため、長期にわたる治療や経過観察が必要となります。
治療は主に、薬物治療、手術
ということのようです。
問診から分かること
それではまず問診から気になった点を書いていきます。
Kさん(女性 当時70歳)
・診断名
眼底出血(右眼)
・その他の症状
身体全体が疲れている
首が痛い(書道の先生をされていて、下を向く姿勢をすることが多い)
食事は和食を中心に、添加物などにも気を付けながら朝食抜きの1日2食。
ここから推測できることは、
①体全体の状態が悪いことが眼にも影響を与えている。
②首に負担がかかる姿勢が眼に影響を与えている。
ということです。
身体の状態は部分に影響する
眼の症状は勿論眼に原因はありますが、それが全てというわけではありません。
眼の使い過ぎなど眼そのものに負担がかかって悪くなっていることと同時に、身体の状態が部分(眼)にも影響しているのです。
Kさんは当時、身体の疲れが相当溜まっていました。
疲れが溜まっているということは、血液の状態が良くない(血液が汚れている、血流が悪い)ということです。
眼は毛細血管が沢山集まっています。
全身の血液が汚れていて流れが悪くなっていると、毛細血管のような末梢の細い血管では余計に流れが悪くなると考えられないでしょうか。
血液がドロドロになっていたり、血流が悪くなっていたりすると、血管壁にかかる圧力も高くなり、血管が脆くなって出血すると言うことも考えられますね。
首の状態は眼にも影響する
首の状態もとても重要です。
これは私自身の緑内障の経験からも言えることです。
眼など頭に行く血液は必ず首を通りますね。
もし、その首の筋肉がガチガチに硬くなっていたら、眼に行く、眼から帰ってくる血流は悪くなると考えられます。
Kさんは書道の先生をされていて首に負担がかかっていましたので、それが眼にも影響を与えていると考えました。
実際に首の治療をすると眼がスッキリしたり見え方が良くなるという臨床の経験も過去にあります。
以上が問診から見えてきたことです。
それでは次回は触診について書いていきます。
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4月22日㈯に施術体験会を開催します!
今回は首の症状に関する体験会です。