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難病の歴史

2023年01月06日

前回は難病患者さんが増えていることをグラフにしてみました。

 前回の記事 難病患者が増えています

今回は難病の今までの流れについて書いて行きたいと思います。

1960年代 難病のきっかけはスモン病

これは前回も書きましたが、難病と言う言葉が最初に使われたのは1960年代で、

スモン病が契機だという事です。

この病気は1955年頃から確認され、わが国のみに見られ1967~68年頃に急増したようです。

●スモン(亜急性脊髄視神経症)

1965年頃から、下痢や腹痛が続いた後、足の感覚がなくなったりしびれたりする症状を

訴える患者が現れた。

目が見えにくくなったり、足が麻痺(まひ)して歩けなくなる人も多く原因不明の奇病と

社会問題にもなった時期があった。

整腸剤キノホルムとの因果関係が初めて示唆されました。

1972年 難病対策要綱が策定

難病は、

1)原因不明、治療方針未確定であり、かつ、後遺症を残すおそれが少なくない疾病、

2)経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず、介護等に等しく人手を要するために

  家族の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病、

と定義しました。

当初の調査研究の対象としては、

・スモン

・ベーチェット病

・重症筋無力症

・全身性エリテマトーデス

・サルコイドーシス

・再生不良性貧血

・多発性硬化症

・難治性肝炎

が選ばれ、特に前述の4つの病気が医療費助成の対象としてスタート。

医療費助成の対象疾患としては、

「診断基準が一応確立し、かつ難治度、重症度が高く、患者数が比較的少ないため、

公費負担の方法をとらないと原因の究明、治療法の開発などに困難をきたすおそれのある疾患」

として、

56疾患が「特定疾患」治療研究事業(医療費助成事業)の対象に。

その後も対象とする病気の数はさらに増加したばかりか、対象患者数も増加の一途を辿り、

2011年(平成23年度末)の時点で対象患者数は78万人にまで増加。

2014年 難病法の成立

2014年(平成26年)5月23日に持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律

として「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)が成立し、

2015年(平成27年)1月1日に施行。

特定疾患から指定難病に移行(56特定疾患→指定難病に)

難病は、

1)発病の機構が明らかでなく

2)治療方法が確立していない

3)希少な疾患であって

4)長期の療養を必要とするもの

という4つの条件が必要。

指定難病は、

さらに、

5)患者数が本邦において一定の人数(人口の約0.1%程度)に達しないこと

6)客観的な診断基準(またはそれに準ずるもの)が成立していること、

という2条件

●第1次実施分として110疾病が指定され、

2015年(平成27年)1月1日から医療費助成が開始

●2015年5月13日に第2次実施分196疾病が決まり、合計306疾病が対象

2015年(平成27年)7月1日から医療費助成が開始。

●2018年3月、331疾患。

●2019年(令和元年現在)、333疾疾病、約150万人

●2021年(令和3年11月現在)の指定難病は338疾病

難病数も患者数も増加している

どうでしょうか?

まず、難病と言うモノに対して現代医学は、

・何故発病するのはが分からない

・治療法も確立されていない

と言うことです。

分要するに、分からないから難病と呼んでいるようなのですね。

また、グラフからも分かるように、明らかに時代の流れと共に難病の数と難病患者数が

増えています。

現代医学はその枠の中で60年の間に進歩はしているのでしょう。

でも大切なことは実際はどうなのか?です。

これだけ現代医学が頑張っていても難病数と患者数が増えているという事は、

現代医学では難病は治せないといういことを言っているようなものではないでしょうか?

その事実を私達も知る必要があると思います。

そして、何故こんなにも疾病数が増えているのか?患者数が増えているのか?

について、私たち自身が真剣に考える必要があるのではないでしょうか。

 

 こちらの記事も参考に 医学書には大切なことが載っていない? 元医師の父から聞いた話

背景を知ること

私が常々伝えていることは、現代医学がどうこうではなく、私たち自身が学んで知ることが

大切ですよ、ということです。

現状を理解するには過去を知る必要があります。

それは歴史を知るという事です。

 こちらに記事も参考に 現代医学の成り立ち

これは医療の歴史に限らず、歴史(流れ)を知ることは今の自分にとってとても大切なことなのです。

何故なら、今と言うのは過去の流れがあったからこそ今があります。

そして、過去を知って今を知れば、これからどういう方向に向かっているのかが見えてきます。

私達は今という点で生きているわけでは無く、過去からの流れの中の今に生きています。

それならば、歴史を学ぶことは誰にとっても必須のことではないでしょうか?

そして、それこそが生き方に繋がり、本当の意味での治療に繋がるのだと、私は考えています。

これからも色んな視点から書いて行きますので、宜しくお願いします。

 次の記事 病気が増えている背景には何があるのか? 食生活の欧米化

 

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