前回は首から背中にかけての痛みと動かしにくさを感じているSさんの症例について、
・脊椎(背骨)の説明と、
・触診をしたら筋肉が硬くなっていて、それらを緩めることで痛みと動きが改善したことを書きました。
前の記事 背中から首にかけての痛みについて 函南町
今回は治療内容について、背中について詳しく書いて行きます。
筋肉の状態を調べる
触診していくと特に、
・腰から背中の下側にかけて、背骨の右側の筋肉が硬くなっていた。
・右の肩甲骨と背骨の間の筋肉が盛り上がるほど硬くなっていた。
・肩~首周辺も全体的に硬くなっていた。
これを図に表すと下記のようになりました。
背骨の右側が腰から首にかけて特に筋肉が硬くなっていたのですが、この筋肉を
「脊柱起立筋」と言います。
脊柱起立筋は、最長筋・腸肋筋・棘筋という3つの筋肉の総称です。
腸骨(いわゆる腰骨)と仙骨から出て首にまで走っている筋肉です。
作用は、
・身体を前屈・後屈(屈曲・伸展)したり、
・横に倒す(側屈)動作
をします。
ですが、最大の作用は、
・地球の重力負けないように身体を支える、「姿勢を維持する」働きをします。
ヒトが横になって重力から解放されている以外の時、つまり歩いたり座ったりしている時は脊柱起立筋は常に働き、常に緊張している筋肉でもあるということです。
姿勢を維持する筋肉 脊柱起立筋の筋疲労
Sさんは長時間草むしりをしていたということですから、その姿勢を維持するために脊柱起立筋は常に働いていたのだと思います。
その為に筋肉が疲労で硬くなった結果、
・身体を横に倒す動き(側屈)がやりにくくなり、
・また痛みが出るようになった
と思われます。
実際は背骨沿いにある筋肉は脊柱起立筋だけではありませんが、治療は背骨の両脇の筋肉を緩めて行くことで、
・腰や背中の痛みは軽減し、
・側屈の動きも改善して行った
のです。
それでは次回は首の症状が改善したことについて、解説して行きます。
宜しくお願いします。
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