Tちゃんが亡くなる数日前のことです。
T も私も、諦めていなかった。
ですが、私は治療家をしているからか、Tの身体の変化が視えてしまう。
それで、ずっと恐怖がありました。
勿論、そんなことは口には一切出しません。
それに事実、常に希望を持っていたからです。
それでも私自身、肉体的にも精神的にもキツくなっていました。
私の考えとしては、一番大変なのはTちゃんだ。そのTちゃんに負担がかかってはいけない、ということです。
Tちゃんには自分の治療に専念して欲しい。
その為には、自分にある程度の余裕がないといけない。
治療は長期戦を想定していますから、その時だけ頑張れば良いというものではない。
どれだけ大切に思っていても、自分に余裕が無くなれば、皺寄せはTに行ってしまう。
それではTちゃんは気持ち良く治療に専念できないどころか、「私のせいで」と申し訳なく思わせてしまう。
お姉さんも看てくれてるけど、それでも私はこのままでは自分が余裕が無くなってしまうかも、という恐れがありました。
だからある時、仕事から帰って来てからTちゃんに、娘ちゃんや息子にも協力してもらった方が良いと思う、と私の意見を伝えました。
相当、精神的余裕が無い中で話したのだと思います。
その晩、私は悩んでいて眠ることが出来ませんでした。
翌朝になってTちゃんの部屋に「おはよう」と挨拶しに行くと、Tちゃんから、
「パートナーの関係は解消して欲しい」
「これからは治療家として関わってくれたら良いから」
と話して来たのです。
Tも眠れていない様子でした。
申し訳無い。
本人が一番大変なのに、そんなことを考えさせてしまって。
本当に申し訳ない。
ですが、Tちゃんが私に話してきたことは、私が望んでいることでは無かったので、私の方からも話をしたのです。