治療と言うと皆さんはどのようなことがイメージされるでしょうか?
クスリを飲む。
検査を受ける。
手術を受ける。
整体を受けに行く。
食べ物に気を付ける。
カウンセリング。
など、色々挙げられるでしょう。
どれも間違いでもないと思います。
でも、やれば良いとも思いません。
と言うのは、どの方法を選ぶにしても、選ぶ本人に自分なりの考えがあることが一番大切だからです。
結局のところ、自分なりの考えがあって今の自分に適したことをやれば、それはそれで良いと思うのです。
自分で考えることができる人は試行錯誤しながら、修正しながら、確認しながら、道を進んで行けるからです。
逆に言えば、どんな方法をやっていても自分の考えがなく言われたからやる、では飛んでもない間違いをしてしまうかも知れません。
なぜ病気になったかのか?
そもそも病気とは何なのか。
自分の状態はどうなのか?
どうしたら良くなるのか?
その治療はどういった意味があるのか?
など・・・
そういったことについてしっかり考えた上で治療に取り組むことと、言われたことをただ漠然とやっているのとでは結果にも大きな違いが出てくるのではないでしょうか。
だからこそ、自分の考えを持つことが治療の最も大切なことだと思うのです。
治療を受けるのは自分のことですし、自分事になる必要があるのですね。
考えや理解がなくやっている例
以前、こんなこともありました。
ある患者さんが食事療法をしていました。
ですが、聞くとその食事療法をやっている意味が分かっておらずただ続けてけている状態だったのです。
私は、「あなたが今やっていることはこういう意味があるんですよ」
とお伝えしました。
確かにその状態の時にそれに取り組むことは間違ってはいません。
でも、それはその次に進むためにやっている、という意味があるんです。
それをただ延々と続けていたら良い、と言うことでもありません。
その患者さんは話を聞いて初めて自分のやっていることの意味が理解できたようです。
病気を良くする、自分の状態を上げて行くためには、やっていることや自分の状態を知る、理解する必要がありますね。
それはクスリを飲む場合にも言えるでしょう。
クスリはあくまでも対症療法であり、飲み続けても病気は本質的には良くなるわけではないからです。
その病気、症状が出るには原因が何かしらあるはずだからです。
本当に病気を良くしたいなら、クスリは対症療法として一定期間飲みながらでも根本的に病気を良くするための何かをする必要がありますね。
そして対症療法の割合を徐々に減らして行き、最終的には生活習慣で自分自身の健康を維持できるように持って行けたら良いですね。
こういう例もありました。
テレビで毎日3万歩歩くと良い、と見て毎日歩いていたら逆に膝を痛めてしまった。
それで治療を受けに来られたのです。
歩けば健康になると思っていたけど、どんどん痛くなる。
それでも頑張ってついには歩くのに支障が出てしまったということでした。
私は「人はそれぞれ個体差があって違いますから一概にこうすれば良い、なんてことはないですよ」とお伝えしました。
これも誰かが言っていたことを鵜呑みにしてやってしまった結果、起こったことです。
やはり自分の身体と相談しながらその時に合ったことをやって行く必要がありますね。
自分なりの考えを持ちましょう
このように、〇〇(療法、法)をただやれば良い、と言うのではなく、究極的には自分の身体と相談しながらであったり、やっていることの意味を理解したりという、何かに取り組む以前のことが大切なわけです。
どんな方法も理解してやるなら助けになりますが、考えもなくやっていると逆効果になる可能性があるのです。
何事も鵜呑みにせず、自分自身で考えることが大切なのですね。
それでもなかなか分からないことが沢山あるのは仕方ないことです。
自分で全てのことを調べ、理解するなんてことはできないですもんね。
だからこそ、皆さんが知らないことをお伝えしたり、自分で考えることができるようにサポートすることが私の治療家としての役目であると思っています。
これからの医療はまず自分の考えを持つことです。
その為にも貪欲に学んで行きましょう。
これって人生そのものに言えることなんですよね。
治療は深いですね。