ここでは、太もも、脛の外側に痺れが出て長く歩けなかった方の治療について書いて行きます。
Sさん(男性 63歳)は、3週間ほど前から長い時間立っていると、右足に痺れと痛みを強く感じられるようになりました。
以前から症状があって、病院に行くと「坐骨神経痛」と診断されたということです。
身体の状態を確認する
初診時の主訴は、
・右足の大腿部外側、大腿部後面、脛の痺れ痛み(3週間ほど前から)
※元々は左足に痛みが出ていた
でした。
●本人が症状を感じている場所
身体の状態を調べて行くと、
・左右とも足首の動きが悪く、足指を握る運動がしにくい
・左右の足首周りの浮腫み
・立位の時に左右の膝頭を付けることが出来ない(O脚気味)
・腰が丸くなり気味(骨盤後傾気味)
・猫背(巻き肩気味)
・仰向けに寝て股関節を90度に曲げた状態で大腿部を外に捻る(外旋)と可動域が大きく、内側に捻る(内旋)と可動域制限がありました。
●検査して分かったこと
指で押した時に痛みを感じる場所(圧痛点)を探して行ったところ、
・左右の鼠径部(そけいぶ)
・両足の大腿部外側(股関節の外側)
・両足の大腿部後面の外側(特に左足)
・左側の腰
・左右の臀部
に痛みを感じていました。
逆に、足首周りや足指(甲側、裏側)は痛みを感じないようになっていました。
●押したときに痛みを感じる場所
こうして左右の痛みを比較しながら触診して行くと、現時点で痛みは右足に出ていますが、左足の方が強く痛みを感じる場所があったことから、問診で聞いたように左足の方がより悪いのかな?と考えられました。
痛みの原因は筋肉のアンバランス?
上記のように、
自覚している症状
姿勢(また、どういった動作をすると痛むか)
触った時の痛みの場所
を調べることによって、色々なことが見えてきます。
・腰が丸くなっている
➡腰の後ろ(背中)側の筋肉が弱っていて、腰の前側の筋肉が過緊張になっている。
・同時にO脚気味
➡大腿部の内側の筋肉が弱っていて、外側の筋肉が過緊張になっている。
・足指や足首周りの筋肉が硬くなって使えていない
➡脛の外側の筋肉が頑張り過ぎている(過緊張→痺れ)
このように、「酷使している筋肉」と「働いていない筋肉」というアンバランスが症状の原因になっているのです。
それでは、この続きは次回に書いて行きます。
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