6月9日に自然農の川口由一さんが亡くなられたということです。
84歳でした。
川口由一さんは、農家の生まれでお父さんが亡くなった後に農業を始められたようですが、農薬で身体を壊したそうです。
それで慣行農業は辞められたのですが、そんな時福岡正信さんの著書「藁一本の革命」に出会われました。
耕さず草を生やすやり方で田畑を始めましたが、お母さん(や周りの人も?)に理解されず反対され続け。
それでも自分を貫かれる中で自然農が生まれたのです。
私が自然農に出会ったのは、長年のステロイドの副作用や仕事や音楽活動の無理が祟って身体を壊し、生き方を変えようと思った2008年でした。
田畑をやりたいと思うようになってその話を周りにすると、中には「素人に出来るか!」なんてことも言われました。
でも、人類の長い歴史でやって来たことなんだから出来て当然だろうと思っていましたし、自然なやり方があるはず、と思っていたところ、赤目自然農塾に出会ったんです。
そこで教えられていたのが川口由一さんでした。
いつしか競争、成功、時間に追われて、という中で疲弊していた私にとって、川口さんの口から出る言葉。自然を感じること。目的に向かってみんなで汗を流して協力し合うこと。などの体験は衝撃的でもあり、新鮮でした。
川口さんに畑のことで相談をさせていただいたり医療関係の事を聞いたりと(川口さんは漢方薬の治療家でもありました)、少ないけど個人的にお話させていただいたのも懐かしい思い出です。
本当に豊かな体験をさせていただきました。
あの体験がその後の生き方に大きく影響を与えています。
最後に直接お会いしたのが2011年頃なのでかなり時間が経ちましたが、亡くなられたと聞いて、少し空虚な気持ちになりました。
亡くなられて改めて、私にとって影響力のあった人だったんだなぁと感じたのです。
こういった人生、生き方の師匠に出会えた事は人生の宝物です。
私は私なりに農と医療を繋ぐ活動を続けて行きたいと思います。
有り難うございました。